まこのゆるまいらいふ

日記のようなぶろぐ。simple .🌙

私の隣は

 

 

「さみい〜」

 

突然白い息を吐いた君が言った。

 

もう気づけば、あっという間に寒い冬になっていた。

君と出会ったのも君を好きになったのも君と付き合ったのも全部冬だった。

 

「寒いね」

 

私の口から出た言葉はただその一言だけだった。

昔はよく話が尽きないほどたくさん話せていたのに今ではもうこんな感じ。

 

時々思う

 

どうしてこうなったんだろう、いつからこうなってしまったんだろうと。

 

いつまでも私は君の隣だと思っていたのに。

 

最初は手を繋ぐことすら緊張して好きな君と目を合わせて話すのも

ドキドキして。

 

あの頃が懐かしく感じる。

 

「あのさ」

 

君が突然そう言った。

 

「何?」

 

素直になりたいのにどこか君にはいつもそっけない態度をとってしまう

自分がいた。本当は素直になりたいのに。

 

「俺さ、お前のことこの先もずっと大切にしていける自信がないんだ」

 

足を止めて私に言ってきた。

どこか悲しく切なく胸が張り裂けそうなくらい曖昧でよくわからない感情に

押し潰された。

 

「どうしたの…いきなり。冗談だよね?」

 

今の関係がいつかはきっと崩れてしまうんじゃないかと不安に襲われた。

私が問うと君は

 

「冗談じゃない。本当なんだ」

 

真剣な表情で俯く君の姿。

 

「そっか」

 

私はどういう反応、言葉を返せば良いのかどれが正しいのか

わからなくてそういう返し方しかできなかった。

 

それから私たちは連絡はしなかった。

幸せだったあの頃。誰にだって別れは来るんだとわかった。

 

ある日、君から一通のメールが届いた。

 

「久しぶり、今度会えるかな」

 

という内容だった。

 

届いたのはあれから2週間ほどした時だった。

 

私は「久しぶり。良いよ。じゃあ、〇〇日に〇〇で」

 

と返信を送った。

 

 

 

 

そして、その日会うことになった。

 

私はすごく嫌な予感がした。そう、きっと私たちは「別れる」んだと。

 

 

 

 

「久しぶり」

 

と手を振る君。まるで私たちは初対面で付き合っていないかのように。

私も君に手を振り返す。

 

 

「今日、せっかくの休みなのにごめんね」

 

「ううん、大丈夫だよ。」

 

なんだかお互いそっけなかった。

 

私は「どうしたの?」と聞いた。

 

そしたら君は

「ずっと考えていて、俺はお前を最後まで大切に幸せにできなかった。

もうあの楽しい時間は来ないんだって。俺よりもきっと大切に幸せに

してくれる人が現れてくれるって思ったんだ。だから俺たち…別れよう」

 

と最後まで俯いたまま私にそう言った。

 

「うん。わかった。私も楽しかったよ。ありがとね、さよなら」

 

と言ってその場から立ち去った。

 

最後まで好きで居られる自信が私にはなかった。

絶対に泣き顔なんて一つも見せてこなかった。

やっぱり君からの「別れよう」は目に見えていた。

その場で最後泣き顔は見られたくなくて走ってまで

私は涙が止まらなかった。

 

「さよなら」

 

と私は目が赤く腫れるほど泣き叫んだ。

 

それから1年経った冬。

私はその人以来、彼氏は居ない。

連絡先も消したため、連絡していない。

その人が最後の彼氏だったんだろう。

もうあの頃に戻りたいなんて思わない。

 

 

 

でも一つわかったことは、その人が結婚したことだ。

優しくて可愛らしい方と結婚したらしい。

 

 

 

「おめでとう、好きだった人、幸せになってね」

 

 

 

 

この決断が正しかったのかなとか別れてからずっと本気で心から

好きになった人でもあった。

最初は優しくて良い感じの人だった。

けど実際付き合ってみたら思っていたのと違くて、両想いは奇跡なんだと。

喧嘩だって普通にした。小さい些細な喧嘩から大きな喧嘩まで。

喧嘩するたび「別れてやるんだから!!」なんて言ってた自分が懐かしく

感じる。本気で人を好きになってしまったらダメなんだってよくわかった。

 

 

 

君と行った思い出の場所も写真も全部全部。

私の隣は君だったのに、突然私の隣から君は消えてどこかへ行ってしまった。

 

出会わなければよかった。

君を好きにならなければよかった。

 

今日も空を見上げて歩んでいく。